機械麺の9割は「おいしくない」
手延べそうめんはよりをかけ、延べて細くし、ゆっくりと熟成させます。これによって麺線に沿って縦方向にグルテン組織が形成されます。結果、うどんや機械麺そうめんにはない独特なコシが生まれ、噛むとブチブチブチっと音を立てて弾けます。口内がとにかく気持ちいい。
タオルを絞るようにエアー緩衝材をプチプチプチっと握りつぶすのって気持ちよくないですか? 細くてコシの強い手延べそうめんがまさにそれなんです。
ちょっとわかりづらければ、数の子を思い出してみてください。数の子も噛むとプチプチプチっと弾けますよね。いい手延べそうめんもそう。そして、これが私にとってのそうめんの魅力、醍醐味です。
あくまでも私の主観ですが、冷やしたそうめんを麺つゆで食べるという、パッケージ裏面に書かれている一般的な食べ方で食べた場合、手延べそうめんは、おいしいものが5割、普通が4割、いまいちなものが1割でした。私はまずい手延べそうめんには出会ったことがありません。一方、機械麺はおいしいものが1割、おいしくはないものが7割、まずいものが2割でした。
手延べそうめんの産地TOP4をご存じか
こちらがそうめんの主な産地です。
オレンジ色の播州(兵庫県)、島原(長崎県)、三輪(奈良県)、小豆島(香川県)は4大そうめん産地とも称されます。
実際、手延べそうめんの生産量は兵庫、長崎、奈良、香川がトップ4です(農林水産省 平成21年米麦加工食品生産動態等統計調査年報(参考4)乾めん類の都道府県別生産量)。
具体的に、産地による特徴を見てみましょう。
白石温麺は短いそうめんです(長さに関する規定はない)。
南関素麺、和泉素麺、大門素麺などはとても長く、髷や毬のように曲げられている(丸められている)のが特徴です。
半田素麺は太いです。規定ギリギリ、長径1.6mm~1.7mmほどあります。小豆島のそうめんも太めのものが多いのですが、小豆島の特産物であるごま油が使われているというのも特徴です。
以上のように産地による外形的、原材料的差があるにはあるのですが、それよりも生産者による差のほうが大きいと感じます。同じ島原の手延べそうめんでも、A製麺所とB製麺所ではコシが違う、というように。