「そうめんなんてどれも同じ」と思っている人に読んでもらいたい
夏になると、そうめんを食べる機会が増えると思います。それなりに身近な存在のはずなのですが、うどん、ラーメン、そばに比べると、そうめんに対する関心は低めです。あるいは誤解されていることも多いように見受けられます。
そこで、これまで約200種のそうめんを食べてきた筆者がそうめんの基礎知識を紹介してみたいと思います。
「そうめんなんてどれも同じでしょ?」
「そうめんって別においしくないだろ」
「どれがおいしいそうめんなんだろう」
と思っている方、ぜひ読んでみてください。
そうめんには、手延べそうめんと機械麺の2種類がある
商品としてのそうめんは「食品表示基準」別表第三(内閣府令)で規定されています。これによると、そうめん(広義)には「手延べそうめん」と「手延べではないそうめん」(狭義のそうめん)があります。ここでは後者を機械麺と呼びます。
両者の本質的な違いは手作りか機械製か、ということではありません。
手延べそうめんは小麦粉、塩、水を練って生地にして、まずは縄状にします。そして食用植物油を塗布し、よりをかけ(ねじり)ながら延べていき(伸ばしていき)、どんどん細くして1本のそうめんにします。
すべてが手作業で行われることは少なくなりました。生地を練ったり、よりをかけたりは機械に任せることがほとんどです。ただ、必ず手作業が含まれます(食品表示基準で規定)。
一方、機械麺は生地を板状に圧延して裁断し、1本のそうめんにします。すべては機械作業です。
手延べそうめんか機械麺かはパッケージの裏面にある食品表示を見ればわかります。「手延べそうめん、手延べ干しめん」と書かれていれば手延べそうめんです。「そうめん、干しめん」と書かれていれば機械麺です。
手打ちうどん(ラーメン・そば)と機械麺うどん(ラーメン・そば)は切る(裁断する)という意味においては同じです。
ですが、そうめんにおいては、手延べそうめんは延べる、機械麺は切る(裁断する)というように製法がまったく異なります。
手打ちうどんと機械麺うどんの差とは比較にならないほど、手延べそうめんと機械麺そうめんの差は大きいということです。とにかく、ここが1番重要です。