つまり、答えの最初のひと言で相手をハッとさせておいて、その内容とは反対のことがらを続ける。このような答え方をすると、相手が雑談に乗ってきやすくなるだけでなく、「仕事どう?」「がんばってる?」という問いかけにもスマートに対応できるのだ。

また、「○○さんのせいでこっちは朝から大変ですよ~、今度おごってくださいね」「もう本当に生きていてよかったです、これも○○さんのおかげです」などと、相手にからめた大げさなひと言で気を引いて、相手が「何があった⁉」となったところで、ネタばらしをしたり、他愛ない話題を続けたりしてもいい。

このようなちょっとした答え方の工夫で、何気ない雑談を途切れることなく続けさせることができる。

「落として上げる」作戦も◎

さらに、高等技術も紹介しておこう。たとえば、「見てましたよ~」などと、相手の興味を引くようなひと言で返す。いきなりこう言われると、相手はギクッとするだろう。何かやましいことを隠しているような人は焦りまくるはずだ。

樋口裕一『頭のいい人は「答え方」で得をする』(だいわ文庫)

そう言って関心を引きつけたうえで、「昨日、○○さんとランチしてたでしょう」と相手が「なんだそんなことか」と笑い出すようなことを言ったり、「非常階段でタバコ吸ってたでしょう」と、本当は見ていないウソ話をするのもいい。

実はそうかもしれないし、違えば違ったで「じゃあ、あれはきっと□□さんだったんだ」「多分そう。僕はもう加熱式タバコに変えましたから」と、他愛ない会話を気楽に続けることができる。

要は、相手を落として上げるようなフレーズで意表を突く。「ひどいですね?」「向いてませんね?」なども使える。

▼流してもいい気楽な相手の場合は、「うーん」と間を持たせてゆったり答える。
▼ぜひとも会話を続けたい相手の場合は、「答えの最初のひと言」で意表を突く。
▼さらに高等技術として、相手がギクッとするようなひと言で気を引いて「落として上げる」作戦もアリ。
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