「クッキー1枚くらいなら大丈夫」は勘違い

インスリンの追加分泌を抑える2つ目のポイントは、インスリンの追加分泌を起こす機会を減らすこと。つまり、食べ物を口にする回数をなるべく減らすということです。

先に、低インスリン状態が長いほど、身体は勝手に痩せていくと書きました。つまり、空腹の時間が長いほど、痩せる時間が増えるということです。

逆に、休みなく口に何かを入れてインスリンの追加分泌を頻繁に起こしてしまうと、身体が痩せる時間が短くなってしまいます。

よく、「クッキー1枚くらいなら大丈夫」「ミニサイズのアイスなら太らないよね」と考える人がいますが、残念ながらそれは間違いです。量よりも、その食品がインスリンを分泌させるものかどうか、身体に脂肪をつける反応を起こすものかどうかが、重要です。

糖質は、たった5gでインスリンの追加分泌を起こしますから、食間にどうしても何か食べたいときにも、糖質は避けることをおすすめします。

また、「糖質オフのものなら大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、これも間違いです。「糖質○%オフ」とうたってはいても、糖質を一定量含む製品がほとんどで、現実は「多少はマシ」という程度でしかありません。

写真=iStock.com/Georgii Boronin
※写真はイメージです

100g中の糖質が20gを軽く超えている食品もよく見かけます。もともとの糖質量が多い食べ物は、たとえ「糖質オフ」にするような加工をしたところで限度があるのです。

低インスリン状態をキープする方法

「太る」というと「アブラ!」と反射的に思う方が、まだまだ多くいます。しかし、これは事実ではありません。脂質だけを摂った場合、インスリンの追加分泌は起きないため、太ることはないのです。

一方で、タンパク質を摂取した場合には、インスリンの追加分泌が起きます。糖質ほど多くはありませんが、肥満のある方の場合は、タンパク質だけでもかなりの追加分泌が起こることが知られています。

このため、タンパク質も体重(kg)の4~5倍のグラム数など、超大量に摂取するのを毎日毎日続けた場合には、太る可能性があります。

とはいえ、そこまで大量にタンパク質だけを食べ続けることは、よほど大食の人でなければ難しいでしょう。また、現代日本人の多くはタンパク質不足で、体重(kg)の1倍どころか、半分以下というケースもまれではありません。タンパク質に関しては、さほど摂り過ぎを心配することはないといえます。