主食を肉や卵、魚などのタンパク質にする
逆に、日本人はタンパク質不足を心配する必要があるといえます。
タンパク質は、筋肉以外にも、全身の細胞を作る材料になり、消化酵素や代謝酵素の材料にもなります。私たちが健康的に生きていくには、タンパク質が必要不可欠なのです。
タンパク質の1日の摂取目安は、体重(kg)×1g(体重50kgの場合は50g)です。しかし、私たち現代日本人のほとんどは、この量さえも摂れていないことがほとんどです。
これまでの糖質過多な食事で、内臓脂肪がたっぷりつき、インスリンの作用で血管も内臓もボロボロの人の場合は、その修復のためにタンパク質がたくさん必要になります。たとえば、私は糖尿病や高血圧、動脈硬化がある患者さんには、「体重(kg)×2gのタンパク質を摂ってください」とお伝えしています。
健康な方の場合も、コロナ禍での体重増加、生活習慣病の罹患リスクを抑えるためには、できるかぎり糖質を控え、不足しているタンパク質をしっかりと摂る意識をもってください。
今日から主食は肉や卵、魚などのタンパク質──と考えを新たにするとよいでしょう。逆に、ごはんやパンなどの糖質は「デザート」と位置づけして、食事の最後に少量食べるぐらいが健康的です。もちろん、食べないで済むならそのほうがベストです。
自制心を当てにせず「環境」を整える
テレワークになってから、手を伸ばせば食べ物がいつでも食べられる環境になったことで、体重が増えてしまった方が大勢います。この環境にいる限り、体重はどんどん増え続ける可能性は高いといえます。
「甘いものを見ただけでもインスリンが出る」という報告があります。また、見ただけで脳内にドーパミンが出て、欲しくなってしまいます。こうなると、自分の意志で食べないでいることは難しくなりますし、我慢できたとしてもストレスになってしまうでしょう。見る度に我慢を強いられ、その反動でドカ食いをしてしまうこともよくあります。
糖質には中毒性があるため、「自分の自制心を当てにはできない」と割り切りましょう。タバコやお酒を止めるのと同じように、そもそも家の中には糖質を持ち込まない、というところから始めてみてください。買ってこない、置かないことです。
家族がいると難しい場合には、なるべく視界に入れないように工夫をしたり、家族にも協力をしてもらったりするとよいでしょう。
それでも甘いものやラーメン、丼物が食べたくなってしまうときはあります。そんなときには、「食べていい食べ物」のことを思い浮かべてください。つまり、肉、卵、ホエイプロテインのことを考えましょう。