インスリンの「追加分泌」を抑えよう

また、自ら分泌したインスリン自体が細胞内で活性酸素を発生させ、細胞に酸化ダメージを与えてしまうことはあまり知られていません。

体内の酸化が進むことで、血管も臓器もボロボロに傷めつけられることになります。糖尿病を発症すると血管がボロボロになって、高血圧も併発する人が多いのは、このためです。

つまり、体内を低インスリン状態に保つことは、体重(内臓脂肪)を減らし、血糖値を下げ、血管や内臓を守ることにつながる、ということです。

インスリンは、24時間、持続的に私たちの膵臓すいぞうから分泌されていて、体内のインスリン量が完全にゼロになることはありません。持続的に分泌されるインスリンを「基礎分泌」といいます。そして、食後に追加で分泌されるインスリンを「追加分泌」といいます。

私たちの体に脂肪をつけるのは、この追加分泌が出ている間だけです。そして、食事のコントロールによって、この追加分泌をできる限り抑えることで、身体は勝手に痩せていきます。もっといえば、インスリンの追加分泌が出ない時間が長いほど、痩せる効果が高いということです。

健康な人は糖質1食40g以下に

インスリンの追加分泌量を最小限にするためのポイントは、次の2つです。

1つ目は、糖質を摂る量を控えめにすること。最もインスリンの追加分泌を引き起こすのが、糖質だからです。

なお、「炭水化物」は、「糖質」と「食物繊維」を併せて表現する単語です。食物繊維は、腸から体内には吸収されないため、インスリンの追加分泌もゼロです。

現在、健康に問題がなく、肥満もない人なら、1食あたりの糖質量を40g以下にするのが目安です。糖質40gは、ごはんでいえば茶碗に軽く1杯というところです。

すでに体重が増えていてダイエットが必要な場合には、1食あたりの糖質は20g以下を目安にしてください。野菜や肉、調味料に含まれる糖質は気にせずに、主食を抜く、といったイメージです。このレベルの糖質オフで、はじめて内臓脂肪減少効果が得られます。