食材のデータをすべて数値化する

「常に不安があって状況に満足できない。その不安を解消するため、次から次へやることを見つけてこなしていく」というのが、109時代から変わらない私の仕事のスタイルです。当時、無休で働いていたのは休むと不安になるからでした。

藤﨑忍『ドムドムの逆襲』(ダイヤモンド社)

ドムドムハンバーガーに入ってからもそのスタイルは変わりません。厚木店でもバンズなど食材を切らすことが不安でしたので、何個ずつ仕入れれば在庫がなくならないのか、データを取り、表を作成しました。毎日入荷するバンズと、隔日で入荷するレタスなどの食材についても必要数の違いなど、全て数値化しておこうと表を作りました。

これほど歴史のあるチェーンなのに、在庫管理のモデルケースなどは、データ化されていませんでした。私にはわからないことがいっぱいあって、不安を解消するためやるべきことがたくさんあったのです。

異動で自分がいなくなった後でも後任のスタッフが問題なく店舗運営できるよう、売上別の必要食材数など、いろいろなデータをまとめておきました。エクセルは今でも苦手ですが、その頃から少しずつ必要に応じて使うようになっていました。

スーパーバイザーとして東日本を飛び回る

おかげさまで厚木店はオープンから数カ月、売上は好調でした。そして私は18年4月から、スーパーバイザー(SV・統括エリアマネージャー)として東日本の店舗を担当することになりました。3月の決算の結果を受けて、会社全体が体制の見直しをすることとなったのです。

それまで営業部門は、社長の下に営業部長、その下にSV(東日本3名・西日本3名)という体制。そこをスリム化することになり、紆余曲折ありながら最終的に東日本と西日本それぞれ1名に絞ることが決定したのです。東日本担当として私に白羽の矢が立ち、西日本担当はグループ会社からの新任者でした。SVになり、東日本の店舗を忙しく飛び回って、運営のサポートをする日々が始まりました。

具体的には、まずは各店舗の人員の管理をします。シフトの管理はもちろん、ほかにも「今日は◯◯店のスタッフが足りない」と聞いたら、すぐに駆けつけて自分が店に入ったりもしていました。そのため全店のシフト表をプリントアウトして常に持ち歩いていました。SV時代はいつでも店に立てるように、小さめのスーツケースにスニーカー、ユニフォーム類、パソコンなどを入れて、大荷物で移動していました。

そのほかの仕事としては、原価率の管理、商品・クリンネスの管理、イベント企画など本部の意向を現場に周知すること、設備の保全管理、クレーム対応などです。

店長はもちろんアルバイトを含めたスタッフたちとコミュニケーションを取りながら、それぞれの店がスムーズに運営できるように心がけました。