プラットフォーム思考を取り入れたい

【田中】そうですね、生態系エコシステムというところですよね。

【北尾】そう。それで今度はプラットフォームという考え方を我々グループとして追求すべきだと考えています。プラットフォーマーのところに全ての、例えば証券では、リクイディティ(流動性)が集まること、このリクイディティが全てです。手数料をゼロにしても売り買いのリクイディティが集まれば、その中でマッチングができる。そうなれば、手数料がゼロでもいいのです。そういう世界にもっとなれると思い、今、私は強くプラットフォーム思考を取り入れたいと考えています。

デジタル金融商品が、定着していく時代へ

【北尾】さらに今は、デジタルの金融商品が出てきています。今後は1つの金融商品として位置付けられていくと考えています。

ですからちょうど自主規制団体としてSTO(※)協会を作り、セキュリティトークンを、次の時代の金融商品として提供していこうと思っています。

※STO Security Token Offeringの略。電子的に発行された法令上の有価証券であるセキュリティトークンで資金調達を図る手法。ブロックチェーン等のデジタル技術の活用で既存の手続きを効率化し、発行・管理コストの削減、証券の小口化や即時決済等が可能となる。

【田中】金融の一番のデジタルトランスフォーメーションは、STOなどその辺ですし、北尾社長がすごいなと思うのは、ブロックチェーンにしても仮想通貨にしても、真っ先に仰っていました。

私も何度も決算発表会にお邪魔していますが、北尾社長の決算発表会は、いつも資料も200ページほど、時間も1時間半くらいに及びますし、ある時はブロックチェーンの勉強会みたいな感じもし、ある時は仮想通貨の勉強会みたいな趣もあり、その時のフィンテックの最先端のお話を知行合一(※)でされていらっしゃると思っています。常にどういうところにアンテナを張っていらっしゃると、そういうことができるのでしょうか。

※知行合一 陽明学の命題のひとつ「知識は行動を伴う・一体である」という意。