需給バランスを全ての市場で見る必要がある
トランプ米大統領が、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策として、失業給付を増額する措置の延長を含む大統領令に署名したことを受けて、NYダウが続伸する強い値動きとなりました。経済活動や個人所得へのプラスの影響を期待してNYダウはリスクオンの流れとなりました。
金は2000ドルを超えたことから、利益確定のタイミングと重なったとも言えますが、投資家が、アメリカ株がまだ上昇余地があると見込めば、金を利益確定して米国株への購入といった動きが出てもおかしくないのです。
つまり、金融市場は「天秤」なのです。
投資の世界では、1つの金融商品だけの値動きや、そのマーケットだけを見ていては足をすくわれます。
株、為替、債権、先物市場の値動きだけでなく、需給バランスを全ての市場で見る必要があります。巨大なマネーが世界で投資先を求めて動いていますが、そのマネーが今、どこに集まっていて、どこから資金流出しているのか、全体を俯瞰して金融市場をみることが、相場で勝つ方法です。
金投資で「儲ける人」になる法則
低金利により、債券投資の魅力を感じられないプロ投資家の参入だけでなく、不透明感が高まる世の中で、「資産を減らさないこと」「安全資産」の必要性から金に目を向けた初心者の投資家の参入が増加しています。ある意味、金市場は裾野の広がりを見せてきているのです。
ただ、金投資はメインの投資ではなく、あくまで投資のメインは債権であり、株であり、為替です。これらの資産を持った上で、金はコツコツ積み立てていける、長期投資向きの商品だと言えます。直近の価格上昇だけに、目を奪われるのではなく、金が下がりにくくなっている構造などを理解したうえで、ポートフォリオの一部に組込みスタンスが良いでしょう。