「金」の高騰の心理は美術品が高値落札されるのと同じ

投資資金が集まっている良い例が、美術品です。新型コロナウイルスのパンデミックにより、経済が深く傷ついているにもかかわらず、美術品が高額の値段で落札されています。

「本当に経済への打撃などあるのか」と思わせるような値段。今回のパンデミックにより、富裕層は資産価値を高めた可能性があるのです。富めるものがより富を得てしまう歪みが生まれています。

美術品オークションカンパニーの「サザビーズ」のオンラインセールでは総額約400億円が落札されたとも報道されています。「サザビーズ」は6月29日に新型コロナウイルス感染拡大を受け3大陸で同時オンライン、イブニングセールを開催し、オークション全体で近現代美術品が総額3億6320万ドル(約390億2900万円)で落札されています。

香港の資産家も魅力を感じる「現物資産」

世界中で行われている資金供給は、マネーの相場として、投資先を求めてさまよい、一部は「実物資産」である、美術品や金といった資産にお金が流れているのです。何に価値を定め、何を信じていいのか分からない「未曾有の不安」の中で、「カネ」はある。しかし、投資先は限られているのです。

実際、コロナショックの急落時に香港在住の資産家にうかがった話によると「今は、株や債権などは全て現金化している。購入しているのは、長期投資としての美術品とゴールドだ。そして、価値の下がった企業買収を狙う」と話していました。世界の富裕層が、何に興味を持ち、何を購入しているのかを知ることは非常に価値が高いと言えます。

2018年の国際NGO「オックスファム」の報告書で、世界で1年間に生み出された富(保有資産の増加分)のうち82%を、世界で最も豊かな上位1%が独占していること。経済的に恵まれない下から半分にあたる37億人は財産が増えなかったとする報告書を発表しています。

事実、この1%の資産家が投資を行うと価格が形成され、市場が形成されるといったことが起きているのです。その価格上昇を後追いで見た、個人投資家が追随して市場に参入していくのですが、自分の身を守るために、気を付けていなければならないことは、その時点でタイムラグと情報格差があることを忘れてはいけないのです。