「新型インフルエンザ」の状況にそっくり

私は、商用ではない、患者さんや社会のためになる情報の無料ブログを続け、15年間になります。11年前のブログの一部を以下に引用します(一部改変)。現在の状況にそっくりなことに、皆さんも驚かれると思います。読み返すまで忘れていたので、私も驚きました(※14)

大切なことは、新型インフルを季節性インフルとそれほど分けて考える必要があるか否かということです。毎年、季節性インフルが流行り何万人もの方が罹患します。これからも、全例に多大なコストをかけて遺伝子検査をして、新型インフルであるか否かの調査をする必要があるのでしょうか。

まだ明らかになってはいませんが、新型インフルは強毒性ではないようです。さらに、通常の治療で回復する疾患のようです。私は、A型インフルエンザと診断された患者さん全てに遺伝子検査をする必要性は無いと考えています。

遺伝子検査を十分行っていないからといって、首都圏でバタバタと人が倒れていっているわけでもありません。まんえん期に入り、散発的に新型インフルが季節性インフルに混じって発生するような場合、発熱外来のような対応は適切ではないと考えられます。

すでに世の中に新型インフルがまんえんしているのに、発症してもいない人を社会から隔離して何の意味があるのでしょう。つまり、新型強毒性ウイルスに対する対策を新型インフルにそのまま採用したことが過ちのひとつで、過剰過ぎてしまったともいえます。さらに、それでも、食い止めることもできずに、まんえんしている。現場では、私たちはあまり病に倒れることもなく社会活動を行えている。

メディアの操作も人々の混乱も、おどろくほど変わらないものです。

歴史は繰り返す、今が「終了形」だ

実際をきちんとわきまえないで、「新型=隔離」、「新型=遺伝子検査」といったステレオタイプな対応しかしないから混乱が起きているのです。

大切なことはひとつ。今のところ、新型インフルは、いつものインフルエンザと同じで大丈夫なようだ。だから、季節性のインフルと同じように予防して、同じように治療すればよい。ということです。恐ろしい何者かが迫っているような報道は自粛すべきです。落ち着いて、毎年の冬にやっているようなことを今年は夏にもすれば良いだけ、ということを報道すべきです。

通常のインフルが流行っている時期にも、マスクで予防していない人がほとんどでしょう。マスク売り切れもナンセンスです。疫学的にやりたいことや理論的に正しいこと、が、実際の現場で正しいとは限らない。全例PCR(遺伝子検査)の方針はもう止めることです。首都圏でも既に混じっているでしょうから。

いかがでしたか? PCRの偽陰性やマスク売り切れまで一緒です。その後、新型インフルは騒がれなくなり日常化して忘れ去られていきました。

皆さんにも、新型コロナの未来が見えてきませんか? 2009年5月21日の記載なので、時期もソックリです。現在の形が、実は終了形なのです。

恐怖の継続のためかインフルとコロナは違うと言われますが、同じウイルス性呼吸器疾患なので似た点の方が多いのです。当時、私は新聞のコラムでも新型インフルのソーシャルディスタンスや重症化について繰り返しお伝えしていました。同じです。

歴史は繰り返します。そして、「一度目は悲劇として、二度目は、喜劇として」にならないようにしましょう。