「仲間がいないと不安」は論理的に正しいのか

さて、「仲間がいないと不安になる」という点を考えてきましたが、次に「不安になると仲間が欲しくなる」という点について考えます。例えば、抜擢されて新しい仕事を始めないといけない状態は不安です。そんなとき仲間がいれば、一緒に過ごすだけで不安を軽減できます。仲間との歓談によって、オキシトシンなどの不安を鎮めるホルモンが出ます。これも、狩猟採集時代の協力生活のたまものです。

石川幹人『その悩み「9割が勘違い」 科学的に不安は消せる』(KADOKAWA)

しかし、これは考えてみると気休めです。新しい仕事について仲間は何の経験も知識も持っていないにもかかわらず、単に「大丈夫だよ」と言っているだけのことが多いのです。これでは、とても「大丈夫」ではありません。

感染症が流行すると私たちは不安に駆られます。すると、不安を軽減しようと仲間を求めますが、感染症を防ぐために「仲間と顔を合わせてはいけない」と、禁じられるのです。ますます不安が高じてしまいます。

こうした問題を避けるためには、「仲間による不安の解消」は最後の手段にして、ストレートに不安の軽減を試みることです。それは不安の原因を特定することです。新しい仕事が未知であることが不安ならば、仕事の内容を調べます。よく知っているという人に聞きに行ってもよいでしょう。知識が必要ならば、勉強を始めましょう。準備を重ねて自信がつけば不安も減ります。「案ずるより産むが易やすし」です。

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