野党共闘では「れいわ」は埋もれる

「いやぁ、強かった百合子山。高かった百合子山」

7月5日、午後8時の開票と同時に小池氏の当選確実が伝えられると、山本氏は清々しく白旗をあげた。一部の他陣営が惨敗しても「善戦できました~」と手前味噌で語っているのとは対照的で、そのスッキリした表情に共感する人々は少なくない。「れいわ旋風」が止んだとはいえ、次期衆議院選挙で東京での議席獲得は十分に狙える。山本氏は今後について「一番近い国政にチャレンジしつつ、地方選挙と両方で準備したい」と語っており、その準備と考えれば都知事選出馬は悪い選択ではなかっただろう。

ただ、野党共闘の足並みが乱れたことから厳しい声もあるのは事実で、立憲民主党の福山哲郎幹事長は7月7日の記者会見で「(宇都宮氏と)支持層が重なっている山本氏が最終局面になって出たということで、野党側の票が割れることは自明になった」と批判した。

山本氏は、衆議院選挙での野党共闘は消費税減税が前提になるとし、国民民主党の玉木雄一郎代表も「消費税減税」で共同歩調をとるべきだとの考えを示している。とはいえ、野党共闘に入れば「れいわ」としては埋没する可能性があるのも事実だ。れいわよりも「野党」がクローズアップされ、政党としての獲得議席が増えるかどうかは見通せない。しかし、逆にれいわ単独で選挙に臨めば他党と競合してしまい勝利をつかむことは難しく、結果として自民党の勝利に「貢献」することにつながりかねない。こうしたジレンマをいかに解消するのかが問われている。

次は広島で「旋風」を巻き起こす

頼りない野党の中で、安倍晋三政権や現職候補への批判を展開し、その受け皿になることができる類まれな山本氏のキャラクターを埋没させてしまうのはもったいないものがある。河井克行前法相夫妻をめぐる公職選挙法違反事件などで安倍政権の支持率は急落しており、本来ならば山本氏の「出番」というところだろう。

そこで1つ、従来の発想にとらわれない山本氏に提案をしたい。検察当局は河井氏側からの現金受領者は「不処分」とするようだが、広島県内では「政治とカネ」問題に辟易としている県民は多いはず。現金受領者が多い分、広島の政界は次の選挙で大きく変わる可能性が潜んでいる。ビッグチャンスが到来するかもしれない。山本さん、次は広島で「旋風」を起こしてみてはいかが?

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