ビル・キャンベルは、コーチングをするときに必ず、「How are you? What are you working?(調子はどう? 今何に取り組んでいるんだい?)」という質問から入るそうです。質問をして先手を取る。質問された人は必ず答える。このシンプルな法則を一流は徹底しているのです。
☑相手が話しやすいように会話を導く
三流は挨拶だけで終了し、二流は挨拶にひと言加える
【③出会いがしらの挨拶】
挨拶から雑談がはじまるケースもよくあります。例えば、出社した直後、上司に朝の挨拶をする。会社に向かう電車の中でばったり同僚に会って挨拶をする。はじめましてのお客様に挨拶する。
このときに、「おはようございます」だけで終わってしまうと、会話が続きません。そこで、「挨拶にひと言つけ加える」という方法が、いろんな本やセミナーで奨励されています。例えば、以下のように、挨拶にワンフレーズをプラスします。
・上司との挨拶「おはようございます。昨日は遅くまでありがとうございました」
・同僚との挨拶「おはよう! 昨日の飲み会楽しかったね」
・お客様との挨拶「はじめまして。お会いできて光栄です」
確かにこれも悪くないと思います。
しかし、「おはようございます。昨日は遅くまでありがとうございました」→「ありがとね」沈黙……。「おはよう! 昨日の飲み会楽しかったね」→「楽しかったね……」(沈黙)、「はじめまして、お会いできて光栄です」→「こちらこそ……」(沈黙)と、そのあとが続かないケースがよくあります。
一流は先手を取り、話しやすい「ふた言」を加える
自然に会話をスタートするには、挨拶にも仕掛けが必要です。その仕掛けとは、「ツープラス」です。挨拶にもうふた言追加するのです。
「おはようございます。(挨拶)昨日は遅くまでありがとうございました。(ひと言)しかし部長、本当にタフですね。(ふた言)」
「おはよう!(挨拶)昨日の飲み会楽しかったね。(ひと言)アレははしゃぎすぎでしょ。(ふた言)」
「はじめまして。(挨拶)お会いできて光栄です。(ひと言)噂はかねがねお聞きしております(ふた言)」
挨拶にワンワードプラスするのではなく、ツーワードプラスしていきます。挨拶の次に空白のボックスが二つあり、必ず二つ埋めないといけないというように考えてみましょう。
「久しぶり! ①元気だった? ②何年ぶり?」
「こんにちは。①いつも元気ですね。②私も見習わなきゃ」
「よ! ①元気? ②最近、忙しい?」
みたいに、話のネタを入れます。ボックスに何を入れるかは自由ですが、入れた内容によって次の話の展開が生まれます。