実は筋トレ効果が高い「下りる動作」
坂道や階段を上るのは大変ですが、下るのなら息も上がらないし、割合楽にできますよね。実際、エネルギー消費もあまり多くありませんので、有酸素運動としての効果は弱くなります。
しかし、下りる動作は、意外なことに、筋力トレーニングとしての効果がとても高いのです。
下りる動作では、着地の衝撃を筋肉で受け止めます。そのダメージで、筋肉に微細な損傷が起こりやすいという特徴があります。これが「筋肉痛」の原因となります。
実験で階段を上り続ける運動と下り続ける運動を比べてみると、翌日に強い筋肉痛を起こすのは階段を下り続けたほうなのです。この筋肉痛を引き起こす階段下りの刺激が、筋肉を発達させる有効な刺激の一つになるのです。
糖尿病予防に効果的な筋肉を使うことができる
坂道や階段を「下りる」運動を続けると、耐糖能という、血糖値の上昇を抑える働きが高まるという報告があります。これは着地動作において、速筋といわれる筋肉がよく使われることと関係していると考えられます。
筋肉の細胞には速筋と遅筋の二つがあり、平均として、5対5くらいの割合で構成されています。そして着地の衝撃を受け止める運動では速筋が優先的に使われます。着地のような動きは「とっさに体を守るとき」に必要な動作でもあるからでしょう。つまり、素早く力を発揮できる速筋の出番となるのです。
そして速筋は糖質利用能力が高いため、速筋を鍛えることは糖尿病予防、改善に効果的となるのです。
駅などを歩いていると、階段はすいているのに、横にある下りのエスカレーターに行列ができている様子を見かけることがあります。
これはせっかくの運動の機会を逸しているわけでほんとうにもったいない。特に下りのエスカレーターの順番を並んで待つくらいなら、喜んで階段を使いましょう。
なお、坂道や階段を下りる動作は関節などへの衝撃が強く、膝や足首を痛めやすいという問題もあります。気になる場合はスピードをやや遅くして、一歩一歩確実に下りるようにしましょう。
筋肉への刺激という点でもゆっくりと丁寧に下りたほうが、しっかりと筋肉に負荷がかけられるので効果があがります。
※ウィルスの拡散による感染防止には、 2メートル以上の距離を取ることとされます。余裕をみてその倍くらいの距離を取ると良いでしょう。また周りへの配慮として、飛沫を飛ばさないためにマスクなどの鼻口を覆うものを着用するこ