外出自粛や在宅勤務で室内にいる時間が増えると、気になるのは運動不足だ。効果的に運動する方法はないのか。NHK「筋肉体操」出演の谷本道哉・近畿大学准教授は「外に出たら坂道や階段を使うと良い。特に、下りる動作は筋トレ効果が高い」という――。

※本稿は、谷本道哉『新装版 学術的に「正しい」若い体のつくり方』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

丘の上から
写真=iStock.com/teruo takahashi
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スイスイ上るのには「コツ」がある

運動不足の昨今、坂道や階段を積極的に使うことはとてもおすすめです。

詳しくは後述しますが、階段の上り下りは筋肉に刺激を与えるトレーニングとしての効果が高いうえ、うまく使えば糖尿病予防効果まで期待できてしまうという優れた運動なのです。

ステイホームは外出禁止という意味ではありません。人の集まる密閉空間に行くべきではありませんが、運動のための外出は不要不急の外出には当たりません。人との距離を十分にとって、是非外に出てほしい。外を歩くなら、坂道や階段をできるだけ使ってください。

とはいえ、「坂道や階段を積極的に」といわれても、あまり体を動かしていなかったり、エレベーターに慣れすぎた人にとっては簡単ではないかもしれません。

そこで、坂道や階段をスイスイ上るのに役立つ、ちょっとした体の動かし方のコツを紹介しましょう。筋肉、腱のバネを利用した「反動動作」を使った階段の上り方です。

私たちの筋肉・腱には、弾性力、つまりバネ作用があります。これを上手に使うと、体を要領よくダイナミックに動かせるようになります。このバネ作用を生み出すのが「反動」を使った動きです。