9時間以上眠る南アフリカより2時間も短い

OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表したデータによると、調査対象国のなかで日本は最下位で、1日の睡眠時間は平均442分(7時間22分)でした。1位の南アフリカの553分(9時間13分)と比べると、約2時間も睡眠時間が短いことになります。しかも、前回調査(2014年)の463分から、さらに短くなっています。

睡眠時間が短くても、睡眠に満足しているならいいのですが、そうでもないようです。

厚生労働省が調査した平成29年の「国民健康・栄養調査」によると、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分に取れていないと感じている人」の割合は20.2%でした。これはつまり、約5人にひとりが睡眠時間に満足していないということ。その数字は、ビジネスシーンの中心にいる30~50代になると、30代27.6%、40代30.9%、50代28.4%と軒並み平均を上回ることになります。

このままの状況が続くと、睡眠障害と診断される人たちが、ますます増えていくことになることは間違いありません。

実際の時間より「よく眠れたか」の感覚で判断する

わたしは、自分自身の睡眠が足りているのかどうかで目安にしていることがあります。

それは、睡眠中に目が覚めたら時計を見ること。時計を見ると気になるから見ないほうがいいとも言われますが、わたしはあえて見るのです。

午前3時かなと思って時計を見ると、午前5時のときがあります。そういうときは、自分の感覚よりも多く寝てしまっているということなので、睡眠が足りていないと判断します。

逆に、午前4時かなと思っても、午前2時のときがある。そういうときは、自分の感覚よりもよく眠れていて、疲れも取れやすくなっているのではないかと判断します。もちろんこれは、あくまでもわたし自身の体感によるものです。

自分の睡眠不足が慢性的なものなのか、急性的なものなのか、足りているのか、足りていないのか、なかなかわかりにくいものです。

睡眠障害がある人は慢性的な睡眠不足の傾向がほとんどなのですが、急性と慢性で特異的なものはあまりありません。そこで基準となるのは、休日のときにいつもよりどれだけ長く寝るのかです。いつもより90分とか2時間くらい多く寝てしまう人は、慢性的な睡眠不足の兆候だと思ってください。