これが善意ではなく、商売であれば話は別です。チョコレートを渡して、100円というリターンがある。あめ玉を渡して、50円相当のもので返ってくる。経済では、ものには対価があるのは当たり前です。

ですから、商売であれば、何かお返し(=リターン)を期待します。渡したものに対して、大きなリターンが得られるように計画するのです。そのための作戦を考えるのが商売の醍醐味です。

しかし、商売とは関係のない人間関係の話であれば、相手からのお返しを期待するのはとても危険なことです。

「義理のプレゼント」は思い切って廃止する

商売でないのなら、お返しは一切期待してはいけません。出張先で買ってきたお土産もクリスマスプレゼントも、商売のためではないはず。純粋に、お礼や感謝の気持ち、善意で贈ったものだということを思い出しましょう。

美崎栄一郎『今度こそ、やめる技術』(あさ出版)

自分がプレゼントをしたいから、しているだけ。困っている人を手伝いたいから、手伝っているだけ。相手が喜んでくれればそれに越したことはありませんが、ポジティブな反応すら期待せず行動するくらいでちょうどいいのかもしれません。

そのようにして相手の反応を気にせず続けていけば、純粋な気持ちで人のために行動できるようになるはずです。

誰かのために何かをしてあげたいと思うとき、それが自分がやりたくてやることなのか、リターンがほしいからやりたいことなのか、心の声に耳を澄ませてみましょう。もちろん現実には、その中間のようなケースもあるでしょう。義理やお付き合いですることも大人の世界ではよくあることです。

しかし、義理で贈ると、見返りを期待するような打算をしてしまいます。義理で贈られた方も、返さないと気まずいので、プレゼントの価格を考えたりしながら、お返しを考えなければならず、ポジティブな連鎖とは言えないでしょう。

ですから、思い切って義理のプレゼントは一切廃止にしてしまいましょう。見返りを求めるくらいなら、最初からしない方が気持ちよく付き合えます。

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