ところが、フォーエバー21はこの製品のモデルに金髪の白人を起用したため、再び大批判を浴びたのだ。ダイバーシティに鈍感であることは、ブランドにとって時に致命的なイメージダウンを与えてしまうのである。
※初出時、「フォーエバー21の場合は、2018年にダイバーシティにまつわる2つの大きなミスを犯している」としていましたが、社名はH&Mの間違いでした。訂正します。(11月14日13時30分追記)
憧れをかき立てるイメージだけでは生き残れない
これはニューヨークのデパートの代名詞から転落、閉店に追い込まれたバーニーズも同様だ。同社の失敗の要因として言われているのは、アメリカ女性の7割がLLサイズ以上にもかかわらず、従来のハイファッションにこだわり大きいサイズを置いていなかったこと。
また、黒人の顧客に対し過剰に警戒する態度で接したため、訴えられたことなども反感を買った。富裕層だけを相手にし、かつては憧れをかき立てたハイエンドでエクスクルーシブなイメージはもう通用しなくなっていたのだ。
常に新鮮な魅力を持ち、誰もが手に入れやすく、どんな人にも似合い、質が良くオリジナルな着こなしができるのはもちろん、ダイバーシティ&インクルージョン、サスティナビリティ、エシカルといったキーワードをクリアしていくのは言うほど簡単なことではない。しかしこの課題に挑戦し、クリアしたブランドやビジネスだけが生き残れる時代になっているのは間違いないようだ。