昔はサイズも季節感もバラバラだった

お正月の風物詩の1つといえば福袋です。2021年以降はコロナ禍によって販売自体がなくなったブランドも珍しくないようですが、2000年代前半から2010年代半ばまでは衣料品店やファッションブランドの正月の福袋人気は異常ともいえるほどに過熱していました。2010年代後半から沈静化して本当によかったと思います。今回は衣料品店・ファッションブランドの福袋について振り返ってみたいと思います。

正月の福袋販売はかなり昔からどの分野でもあり、衣料品店・ファッションブランドがそれを正月販売に取り入れたのも相当前からだと聞いています。2024年には54歳を迎える私でさえいつから始まったのかも知らないので、相当前からあったと考えられます。

福袋
写真=iStock.com/yamasan
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開けてみてガッカリした人も多いはず

元々の衣料品店・ファッションブランドの福袋というのは、1年間販売してきて売れ残った商品を詰め合わせて格安でお得意さまに正月の風物詩として販売していたものでした。当然、サイズや色柄もバラバラですし、今すぐには着られない季節外れの夏物が入っていることも珍しくありませんでした。

買う側も「運試し」や「おみくじ」のような感覚だったと思います。昔はバーゲン時でも半額程度までしか値下がらないものが、福袋だと1万円や2万円で、売れ残りとはいえブランドの洋服が5~10枚買えたのですから、お得感があったことは間違いありません。

実際に、私も90年代後半にインポート系ブティックで1万円か5000円かの福袋を買ったことがあります。帰宅して福袋を開けてみると、たしかに洋服が5枚以上詰め合わされていたのでお得だったのですが、サイズはバラバラだし、夏物も何枚か含まれていたので、ビミョーな気持ちになったことを今でも覚えています。