アウトレット店に「アウトレット専用」しかないのと同じ
また別資本のブランドなのに同じ色柄の服が福袋に入っているというケースがSNSなどで報告されるようになりましたが、この理由は、福袋の中身の仕入れ先もしくはOEM(相手先のブランド名での製造請負)・ODM(相手先のブランド名でデザイン作りから製造まで請負)先が同じであるためです。
ブランド自体は全く別会社でも、福袋の商品の仕入れ先やOEM先、ODM先が同じであれば、同じ商品が入っていることは全く不思議ではありません。アウトレット店に並んでいる衣料品の何割かが「アウトレット店用に製造された新製品」というのとまったく同じ構造なのです。
これらのからくりが広まったことによって2010年代半ば以降は福袋の過熱人気も徐々に沈静化に向かいました。それでも風物詩の1つとして販売が続いていた店・ブランドも珍しくありませんでしたが、コロナ禍による自粛によって随分と多くの店・ブランドが21~23年正月の福袋の販売を中止することになりました。24年正月は福袋販売を復活させる店・ブランドもいくつかあるようです。
コーディネートされた洋服をまとめて買いたい人にはお得
「洋服の福袋はお得なのか?」と尋ねられることが時々あります。原価として考えるとそんなにお得ではなく値段相応の商品品質だといえます。
しかし、5枚くらいまとめて安値で服が買いたいという人にとってはお得な商材だといえます。また色・柄・サイズだけでなく、コーディネートも考慮してそろえられていることも多いので、1枚ずつコーディネートを考えながら買いそろえるよりは手間が省けます。
その辺りが理解できるなら決して損はしない商材だといえますが、福袋を買いあさって転売して大もうけができるようなおいしい商材ではなくなったということだけは認識しておく必要があるでしょう。