収入を得るためだけに仕事するには、職業人生は長すぎる
また、「この1年間で何ができたか」「挑戦して楽しかったことは何か」「これから新たにやりたいことは何か」などを毎年記録し、振り返るだけでもキャリアを見直す機会につながります。
「私なんて何にもない」「いつも同じことをやってきただけ」などと思う方もいるかもしれませんが、どのような方でも、仕事でうれしかったこと、楽しかったことが必ずあるはずです。
仕事をしていて、どんな状況のときに、あるいは誰からどんな言葉をかけられたときに、うれしいと感じたのか、楽しいと感じたのか、そこには、自分でも気付いていない、自分の得意なことが隠れていることが多いのです。
たとえ小さなことでも、自分の好きなことや、得意なことを知ろうとする努力は、キャリアを考える上での大きな一歩と言えます。単に収入を得るためや義務感だけで仕事をしていくには、私たちがこれから歩む職業人生は長すぎます。
定期的に振り返り、自分の軸を持つことが重要
就業環境は常に変化しています。昨今は売り手市場ですが、就職氷河期以降も長期の景気低迷が続くなど、必ずしも就職・転職がしやすかったとは言えないでしょう。女性が安定したキャリアを築く上でもさまざまな課題が残っています。
ただ、だからこそ、勤め先の倒産や業績の悪化など、何か大きな変化に直面した時になって突然自分のキャリアを考え直すのではなく、定期的に自己を振り返り、確固たる自分の軸を持つことが変化の多い社会を生き抜くことにつながるのではないでしょうか。
前述した通り、就職氷河期世代の女性たちは、安定した雇用やワークライフバランスにはほど遠く、多くの苦労や迷いに直面してきました。しかし、それらの経験を糧にすることができれば、年齢を経ても、多くの女性が自らの望むキャリアを切り開いていけると信じています。