政府は就職氷河期世代の就職支援を開始した。3年間かけて30万人の正社員化を目指しているが、そんなことは可能なのか。そして、「氷河期支援」の裏にある政府の本当の狙いとは――。
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そもそも30万人正社員化は可能なのか

政府は30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代の就職支援に本格的に乗り出すことになった。具体的には非正規社員や長期無業者、ひきこもりを含む100万人規模の人たちを3年間かけて支援し、30万人の正社員化を目指すというものだ。

具体的な支援の対象は①正社員になりたいのに不本意ながら非正規雇用で働く人(約50万人、35~44歳)、②就職希望はあるが「希望する仕事がありそうにない」という理由で就職活動をしていない長期無業者、③ひきこもりなど、社会参加に向けた丁寧な支援を必要とする人――の3つだ。

だが、正直言ってそんなことが本当に可能なのかという疑問が沸いてくる。そうでなくても非正規社員は2148万人(総務省労働力調査2019年6月期)と雇用者総数の37.8%を占め、年々増え続けている。今回は就職氷河期世代に絞った対策だが、どんな特効薬があるというのか。