新テストの「精度」「完成度」は及第点に達していない
まとめよう。“複数テキストの横断的読解”においては、例えばテキストが2つある場合、〈テキストAとテキストB〉について、AとBのどちらをメインとしどちらをサブとするのか、はたまた両者を対等の関係で扱うのか、その点をはっきりさせないと解答不可能な問題が出題される可能性が高いのである。
僕は予備校講師として、これまで無数の入試問題を見てきた。その経験からみれば、この新テストの「精度」「完成度」は明らかに及第点に達していない。そして、それは出題者の資質というより、出題形式というフォーマットに起因しているのだ。
新テストには受験生の人生がかかっている。新テストにかかわる人たちは、問題形式の欠陥を認め、早急に形式の変更を検討してほしい。