新テストの「精度」「完成度」は及第点に達していない

まとめよう。“複数テキストの横断的読解”においては、例えばテキストが2つある場合、〈テキストAとテキストB〉について、AとBのどちらをメインとしどちらをサブとするのか、はたまた両者を対等の関係で扱うのか、その点をはっきりさせないと解答不可能な問題が出題される可能性が高いのである。

僕は予備校講師として、これまで無数の入試問題を見てきた。その経験からみれば、この新テストの「精度」「完成度」は明らかに及第点に達していない。そして、それは出題者の資質というより、出題形式というフォーマットに起因しているのだ。

新テストには受験生の人生がかかっている。新テストにかかわる人たちは、問題形式の欠陥を認め、早急に形式の変更を検討してほしい。

関連記事
偏差値30台の子を難関中に合格させた凄母の技
子供を必ず算数嫌いにする"NGな教え方"
"筆記テストなし"の国立大が急増するワケ
東大生の幼児期"テレビは観ず、すぐ寝る"
名門麻布が「受験指導」を一切しない贅沢な理由