▼英語は「SVO」のたった3語で伝わる

中山裕木子
1997年から企業で技術分野の日英翻訳に従事。2000年、テクニカルライティングに出合う。14年、技術系英語専門の翻訳と教育を行うユー・イングリッシュを設立。著書に『会話もメールも 英語は3語で伝わります』など。

私は2000年から特許の翻訳業務に携わり、当初は意味をうまく伝えられず、苦心しました。そこで出合ったのが、論文や技術マニュアルなどの作成に活用されている「テクニカルライティング」という表現技術で、難解な内容でもシンプルに表現するのが特徴です。

シンプル英語の基本の1つが、文章を「主語+動詞+目的語」の3語で構成することです。英語の授業で習った、いわゆる「SVO」の文型にします。たとえば「私は英語の教師です」という和文を英訳する場合、普通なら(1)「I am an English teacher」とするでしょう。けれども、(2)「I teach English」というSVOの文型にもできます。

もう1度(1)と(2)を見比べてください。(1)は5つの単語を使っていますが、(2)は3つの単語しか使っていません。つまり、SVO文型は、同じ意味を短い文章で伝えられるので、効率的なのです。使う言葉が多くなれば、それだけ単語の誤訳、文法や発音の誤りといったミスも起こりやすくなります。

それと(1)は文章の結論部分に当たる「teacher」が、5番目の単語でやっと出てきますが、(2)は「teach=教える=(何かの教師)」という結論部分が2番目の単語で出てきます。SVO文型には、「要旨を速やかに伝えられる」という利点もあります。

日本人の英会話は正しい英語を使っていても、ネーティブからは「わかりにくい」とよくいわれます。それは、「結論を最後に話す」というクセがあるためです。和文は結論が最後にくる構造になっており、それをそのまま英文に置き換えた文型に当てはめようとしているわけです。その典型が(1)の例文で、「教師=teacher」という最終的な結論が最後にきています。

▼たったの3語で英語が伝わる仕組み