※本稿は、廣津留すみれ『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
日本人が必ず苦戦する「英単語の壁」
日本人がハーバード大学に合格しようとすると、最初に突き当たるのが「英単語の壁」です。
私自身も高校時代、ハーバード用の受験勉強の4分の3は英単語暗記に費やしたといっても過言ではないほど、複雑で理解の難しい単語を1万5000語も覚えるのにはかなり時間を使いました。
そもそも英語が母国語の人でも真剣に覚え直さないといけないような単語がでてくる「SAT」が、かなり高いハードルです。
このSATとは、アメリカ版の全国共通テスト、現在の日本でいうところの「センター試験」です。SATには「数学」「国語」「化学」「世界史」など多数の試験科目があり、当たり前のことですが「国語」の試験は英語で行われます。これをわかりやすいように置き換えてみると、アメリカ人が日本のセンター試験を日本語で受けるのと一緒です。
センター試験レベルの国語のテストを単語帳1~2冊暗記したぐらいの語彙力で対応することは不可能です。そして、ハーバードに合格するには、このSATで高い正解率が求められます。
SATに出てくるのは、ラテン語由来の単語、法律用語、化学元素の英語名、世界史にでてくる中国人の英語名、数学の専門用語などなど、ジャンルも幅広く覚えるのが困難なものが多いのです。
五感を遊ばせないで最大限活用する
ハーバード受験を決めた高校2年生の終わり、当時英検1級を取得していた私でも、全く聞いたことのない単語を目の前にして気が遠くなることもありました。
そんな中、私が貫き通した単語記憶メソッドは、「五感暗記」。言葉の通り、「五感」の中でできる限り使えるものを同時に使って、効率的に覚えるという方法です。
例えば私の場合は幼い頃からバイオリンを弾いていることもあり、聴覚が発達していました。
ですので、情報は何でもまず耳から入ってきます。かつて固定電話を使っていたころには、受話器に耳を当ててプッシュホンを押すと番号によって違う音が鳴っていましたが、10桁程の電話番号ならば短いメロディになります。
それが自然に頭に入ってきて、「これはおばあちゃん家のメロディ」「これは友達の○○ちゃん家のメロディ」という風に、番号ではなく「音」で電話番号を記憶していました。
ほかの感覚よりも優れていた「聴覚」を何かに役立てられないかと考え、暗記をするときに活用しようと思ったのです。