※本稿は、粂原圭太郎『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』(KADOKAWA)の第4章「『自分で考える力』を育む 連想法」の一部を再編集したものです。
素早く処理する「東大流」、深く考える「京大流」
癌免疫治療薬「オプジーボ」の開発に大きく貢献する発見をしたとして、2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学高等研究院特別教授の本庶佑氏は、京都大学時代から「6つのC」をモットーにしていたといいます。
その6つとは、好奇心(Curiosity)、勇気(Courage)、挑戦(Challenge)、確信(Confidence)、集中(Concentration)、継続(Continuation)。
現役の京大生を含め、私たち京大OBも同じく「6のC」を求めていたように思います。好奇心があらゆる情報をキャッチし、知識を豊かにさせるのです。
たとえ誰も通らない道だとしても、自分が進もうとする道が正しいと思うなら、それを確信し、挑戦する勇気を持つ。その道を継続して歩き続けるからこそ偉大な結果につながるのだと思います。時にそれは、他校の学生からは「京大はぶっ飛んでる」「超マニアック」などと褒められる(?)原因になります。
東大の入試問題は、分量が非常に多く、素早く処理をしていかなければなりません。一方、京大の入試では、単純な知識問題は少なく、「時間をかけてじっくり考えなさい」という問題が多く出題されます。この点から東大は官僚、京大は研究者というようなイメージがつくのでしょう。受験の時点で、東大に行く人と京大に行く人は選別されています。
本稿では広く浅くではなく、「狭く、深く」を追求する、京大気質ならではの読書術を紹介したいと思います。
東大志望者には「速読」重視の勉強を教える
あらためまして、京大生には広く浅くよりというよりも、「狭く、深く」学ぶという特徴があります。
京大の入学試験によって、そのような人が選ばれているようです。京大入試の英語と東大の英語とを比較してみると、その違いははっきりみてとれます。東大の受験問題は、問題の分量が非常に多く、素早く処理をしていきなさいというものです。一方、京大の受験問題は、暗記問題より頭使って考えさせるものが多く、「時間はたっぷりあるので、しっかり考えてください」というものです。