※本稿は、粂原 圭太郎『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』(KADOKAWA)の5章「『読書』を日常で役立てる 応用実践法」の一部を再編集したものです。
興味のない本を読む方法
私は、基本的に興味のない本は読まないようにしていますが、仕事や学習をする上で必要性が生じたら読まざるを得ません。そんなときの方法をお教えしましょう。
まずは、興味を持つ努力をするということは大前提なのですが、それでもなかなか興味が持てないときは、「まえがき(はじめに)」をよく読みます。いつもよりもしっかりと読むのです。「まえがき」で魅力を感じなければ、読者は類書に手をのばすでしょう。
だから「まえがき」は、この本を読ませようとして、「なぜこの本は書かれたのか」「この本は、どんな本なのか」「第1章から最終章までにどんなことが書かれているのか」など、一番読者をひきつけるようなことを書いているはずです。そう思って読んでみると、多少なりともモチベーションが高まるのではないでしょうか。
それでもダメならば、次に著者について調べてみることです。
「こんな人が書いているんだ」「こんな面白い体験をしている著者なんだ」「他にもこんな活動をしているんだ」などと、興味が湧いたらしめたもの。著者に興味を持つことができれば、本の内容も吸収しやすくなります。
以前ベストセラーになった『大富豪アニキの教え』(兄貴〈丸尾孝俊〉/ダイヤモンド社)の著者のプロフィールは、「大阪生まれ。3歳で母親が家を出る。中学校卒業後、看板屋に丁稚奉公。 その後、吉本興業事業部に入社。独立。トラック運転手からセミナー会社経営などを経て28歳で単身バリ島へ渡る。手持ち資金18万円、的屋業からはじめた商売は関連会社31社(従業員5千数百名)のグループ会社に成長。バリを中心にアジアに不動産資産数百ヘクタール、数十件の自宅を所有」(バリ島のアニキ公式サイトより)となっています。本のタイトルやカバーではなく、このプロフィールで読んでみたいと思いませんか。
「強制的」に「自動で読む」仕組みを作る
しかし、ここまでやってもまったく興味が持てず、なおかつ絶対に読まなければならない本であれば、僕は、各章ごとに本を分断します。
そしてそれぞれの章を、トイレやお風呂、ベッドなどに置き、その場に行けば、ちょっとでもその文章を読まなければならないと決めるのです。例えば、お風呂入っているときは1章を読む。トイレでは2章、布団に入ったら3章、これらを読み終えたら、今度は、新たな章と入れ替えます。強制的に読まざるを得ない状況をつくることがポイントです。