「統合後は、社内文書も日本語と英語で併記されていますし、外国人社員も増えています。また、特に管理職は3年間で英語でビジネスに必要なコミュニケーションができるレベルまで達することが目標となっているので、危機感を持って取り組んでいる人が多いです」とHR本部の英語教育担当者は話す。英会話レッスンをオフィス内の誰からも見える場所で行うのも、全体の意識を高める意図があるという。
CCEJは、2013年7月、関東、東海地区の日本コカ・コーラグループのボトラー4社(コカ・コーラセントラルジャパン、三国コカ・コーラボトリング、東京コカ・コーラボトリング、利根コカ・コーラボトリング)の統合により設立された新会社だ。
長年、日本のコカ・コーラグループでは、日本コカ・コーラ社が製品の企画や原液の製造を行い、各地にある独立したボトラー会社に供給。ボトラー会社がそれぞれ担当地域での製造、販売、物流を担うという、フランチャイズ形式で展開してきた。しかし、昨今では経費削減や効率化の観点からボトラー会社の再編が進行しつつあり、4社統合もその流れによるものだ。
この経営統合により、一気に国内最大のボトラーカンパニーとなったCCEJの社長に就任したのは、ルーマニア人のカリン・ドラガン氏。他国の関連会社で統合を成功させた手腕をかわれた。これまでより米コカ・コーラ社との連携が強まり、経営陣も半数が外国人という“外資的”な会社に様変わりした。
統合と同時に、一気に巨大なグローバル企業の一員となったCCEJだが、国内市場での飲料ビジネスという事業内容に今後も変わりない。にもかかわらずCCEJが英語教育に力を注ぐ理由を、HR本部組織開発部の人材開発課長の中野美樹氏はこう話す。
「わが社の場合は、日本企業が海外進出を目指していくようなタイプのグローバル化ではありません。それよりは、世界のコカ・コーラグループと同じ環境にする、ひいては日本の社員も海外の関連企業で活躍できるグローバルレベルの人材を育成することを目指しているのです」