※本稿は、田中越郎『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
「戦闘モード」に切り替えられる飲み物
朝、会社に行きたくないと思うことってありますよね。その理由のひとつが、まだ眠気が残っていて休息モードのままであり、「さあ、これから仕事だ」という戦闘モードに転換できていないせいではないでしょうか。
戦闘モードに突入するためには、レモンの香りがする炭酸水が適しています。糖をちょっとだけ含んでいると、血糖値も少し上昇してシャキッとなります。つまり、最適な飲み物はレモンスカッシュです。通常はビタミンCが入っているので、一瞬だけ気分が高揚します。
具体的に商品名を挙げると、各社から出ている「レモンスカッシュ」のほか、「C.C.レモン」「マッチ」「ビタエネC」あたりでしょうか。レモンの香りは遠のきますが、「三ツ矢サイダー」なども同じグループに入れていいでしょう。
「サイダー」は国によって全く異なる
炭酸を含まないレモン風味の甘い飲み物は「レモネード」と呼ばれています。一般的には炭酸を含むものを「○○スカッシュ」、炭酸を含まないものを「○○エード」としているようです。さらに、「○○ジュース」とは果汁濃度が濃いものを指しているようですが、これらの名称には絶対的な決まりはありません。
なお、「サイダー」は国によって指すものが異なります。日本では透明の甘い炭酸飲料のことですが、アメリカではアップルジュース、イギリスではリンゴ酒のことです。
日本における最初の炭酸飲料は、1872年にスコットランド人が神戸の薬局でコレラの予防薬として売り出した炭酸入りレモネードのようです。この「レモネード」の発音が「ラムネ」になったわけです。
日本人にとって「ラムネ」と言えば、中身よりもその特徴的な容器を思い浮かべる人が多いかと思います。発明者にちなんで「コッド瓶」と言いますが、炭酸水容器の栓にビー玉を使うというアイデアはすばらしいです。
夏の暑い日、セミの鳴き声の下や縁日などで、大きな容器(業界では「どぶづけ」と言います)の氷水のなかから冷えたコッド瓶を取り出し、ビー玉をプシューと下に落としてカラカラ言わせながらラムネを飲んだ記憶がある人も多いかと思います。世界的にはコッド瓶は絶滅危惧種になっています。