医学的にはまったくオススメできないコーラ

レモンスカッシュと同類の飲み物にコーラがあります。コーラ類は世界的に非常にたくさん飲まれています。コーラもレモンスカッシュも普通の炭酸水に甘味や色などをつけたものですが、単純な炭酸水とはまったく異なった飲み物です。単純な炭酸水と比べると医学的にはまったくオススメできません。非常に困った点が4つあります。

① 糖が加えてある

コーラの最大の元凶は糖です。しかも、糖のなかでもタチの悪い異性化糖(とうもろこしデンプンを分解してつくった果糖とブドウ糖)が大量に使われています。米国の貧困層の子どもたちに肥満児が多い原因のひとつはコーラの飲み過ぎ、つまり異性化糖の摂り過ぎです。

近年、インドやブラジルなどの開発途上国でも赤や青(「コカ・コーラ」と「ペプシコーラ」のイメージカラー)の飲料は貧困層の普段の飲み物として浸透してきています。その販売攻勢たるや、すさまじいものがあります。特に子どもを取り込む戦略は、さすがにえげつなさ過ぎだと私は感じています。その結果、当然ながら肥満者および肥満児が増えて問題になっています。10年後は肥満者がもっと増えていることでしょう。

グラスに入ったコカ・コーラと角砂糖
写真=iStock.com/simarik
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殺菌のため、ウィルキンソンより酸が100倍強い

② 強い酸が加えてある

炭酸飲料は酸性です。しかし、その酸性の原因は炭酸によるものではありません。実は炭酸はきわめて弱い酸なのです。たとえば、「ウィルキンソン」と「コカ・コーラ」の酸性度の強さ(水素イオンの量)はまったく違います。pHで示すと、「ウィルキンソン」のpHはおよそ4~5と酸性ではありますが、その程度は弱く、一方、「コカ・コーラ」のpHは2~3とかなり強い酸性です。

化学が苦手な人のために説明すると、pHは0~7が酸性、7が中性、7~14がアルカリ性です。そして、pH2とpH4とでは、その酸性度の強さは100倍違います。要するに、「コカ・コーラ」の酸は「ウィルキンソン」の酸の100倍強いということです。

なぜ、コーラはわざと強い酸性にしてあるのか。それは腐敗防止です。つまり、コーラの酸は殺菌の目的で加えた防腐剤です。強い酸性下ならバイ菌は繁殖できません。