▼偏頭痛がする→単なる頭痛?
実は……蓄膿症
「偏頭痛には、トリプタン製剤という特効薬がある。それを飲んでも治らないときは他の病気の疑いがある。たとえば蓄膿症。副鼻腔に膿がたまって、頭痛を引き起こすケースがある。この場合は抗生物質で治療できるので安心でしょう」(新見)
▼目の下のクマ→過労?
実は……アミロイドーシス
「過労のせいとは言い切れない。異常たんぱくが血管の壁について出血を引き起こす。眼の周りの皮下に出血すると眼の下のクマのように見え、『アライグマの眼サイン』と呼ばれる。舌が厚くなることが特徴で、歯に押し当てると舌に歯型がつくことも」(鈴木)
▼風邪が長引く→ウイルス感染症?
実は……急性HIV症候群
「エイズウイルスに初めて感染したときの急性HIV症候群のおそれも。急性HIV 症候群は感染初期なら検査しても陽性にならないことがある。同性愛者や両性愛者であるなどのリスクファクターがあれば、数週間後に再検査したほうがいい」(池田)
▼歯が合わなくなった→歯科医へかかる?
実は……先端巨大症
「先端巨大症は、成長ホルモンの過剰な分泌で起こる。原因が視交叉の下にある下垂体の腫瘍によって起きている場合、視野障害を引き起こすことがある。また高血圧や糖尿病を合併することもあるので、検査したほうがよい」(飯塚)
▼家族を振り返る→依存的な性格?
実は……認知症
「ある患者さんに毎回ご家族がついてきた。患者さんへ質問すると、小さな子どもがするようにいつもご家族の顔を見て、家族に答えさせようとしていた。のちにアルツハイマー型認知症とわかった。振り返ると、『物忘れ』を隠そうとする認知症の初期症状だった」(壹岐)
▼声がかすれる→風邪?
実は……声帯が痩せた
「声がかすれると、真っ先に疑われるのは風邪だ。長引くと、声帯ポリープや喉頭がんが疑われる。しかし、単に声帯が痩せただけという可能性も。独居老人に多いが、人と話さない期間が長いと、声帯が衰えて声が出なくなる。カラオケが効果的な治療」(壹岐)