おしゃべりをしないと罰金!
では、どうすればお客さんが関心を持っていることや、何に困っているかを知ることができるのでしょうか。それには、相手の話をよく聞けばいいのです。
営業に行ったら最初からうまく話そうなどという気持ちは捨てて、ひたすらお客さんに気持ちよくしゃべってもらう。そうすれば、お客さんが本当に聞きたいことがわかるから「それはこうしたら改善できますよ」と教えてあげられる。聞き上手じゃなければ話し上手にはなれないのです。
私は社員と年間5・6回、一緒に酒を飲むことにしています。社長と飲むなんて気まずいのではないかと思うでしょうが、当社ではこれが大人気。もし私がそこで、社長風を吹かせて偉そうに演説をぶつようなら、みんな嫌がるでしょう。でも、私はそんなことはしません。お酒の席では私は、もっぱら社員の話の聞き役です。
このとき心がけるのは、「途中で遮らずに最後まで聞く」ということです。相手が部下だろうとお客様だろうと、「語り手の事実」をすべて聞き取ることが大事と思うからです。いらいらして「もうわかった、結論はこうだな?」と口を挟んでしまうと、不正確な情報しか得られません。私がそうやって接するので、話すこと以上に聞くことがいかに大事かを社員は実地で学ぶことができるという効果もあります。
社員同士のコミュニケーションを増やすことにも取り組んでいます。当社では毎日朝礼後の30分、「環境整備」といって社内清掃の時間を設けています。このときは、おしゃべりをしながら作業するのが決まりです。黙っていたら罰金です。普通の会社は、作業効率が落ちてもったいないというけれど、30分くらいのロスがなんですか。それよりも社内のコミュニケーションをよくしたほうがいいのです。