情報が多すぎると聴衆は眠くなる

セミナーや講演会のような、大人数を前に話をするときのコツもお話ししておきましょう。

まずは、情報を詰め込みすぎないこと。自分の家にいると楽なのは、周囲の環境に変化がないからです。しかし旅行に行けば、目に飛び込んでくる景色が普段とまるで違うので、脳内の情報を一つひとつ書き換えなければなりません。だから新幹線ではみんな疲れて寝てしまうのです。

これと同じで、パワーポイントで次々と新しい情報を示していけば、聴衆の脳はたちまち疲れて眠くなってしまいます。私がパワーポイントの代わりにホワイトボードを使うのは、ボードに書き込みをしている間に会場の人が頭を休ませ、内容を整理することができるからです。

また、話す内容や順番をあまりきっちりと決めておかないこともコツの一つ。そうではなく、聴衆の反応を見ながら、ここはみんなが深くうなずいているからもっと深掘りして話そう、この話は誰もメモをとらないから割愛しようというように、柔軟に変えていくのです。ただし、与えられた時間ぴったりのネタしかないと、ウケないところを飛ばしたら途中で話が尽きてしまったということにもなりかねないので、慣れないうちは、予定の倍の時間話せるだけの準備をしておくといいでしょう。さらに、話の終わらせ方を3パターンほど決めておけば完璧です。

大事なことはもう一つあります。人からよく思われようとしない、ということです。そんなことを考えるから緊張してあがってしまい、失敗するのです。人はどうしたって自分の実力以上のことはできません。だったら、実力の範囲でいいじゃないですか。それでうまくいかなかったら、それはそんな自分に話を依頼した人の責任だと思えばいいのです。

小山流●話し下手克服の3ポイント

・モテたければモテる男の話し方を真似る
・人の話は遮らずに最後まで聞く
・聞き手の脳が疲れるからパワポは禁止

(山口雅之=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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