謙虚さを養うための基本原則とは

(1)自分が何を知らないかを知る
「全能の神」になりたいという衝動に打ち勝とう。リーダーは一つの分野では卓越しているかもしれないが、当然ながらゼネラリストである。関係分野の資格や専門知識を持っている人々に頼るべきだ。どのような場合には人に任せるべきかを知ることが大切だ。

(2)自分自身が書いた宣伝文句を信じ込んではならない
プレス・リリースや自己評価を書くとき、われわれはみな自分の成功の一番よい面を見て、現実はそれほど完璧ではなかったことを都合よく忘れてしまう。成功の美酒は活力源になることがある。だが、飲みすぎたら酔っぱらって、洞察力が曇り、判断力が損なわれる。

(3)競合他社を過小評価してはならない
あなたは優秀で、野心的で、独創的かもしれない。だが、世界には勤勉で頭がよく創造力豊かな専門家がほかにも山ほどいる。自分に都合のよいように考えて、そうした人々や彼らのイノベーションは重大な脅威ではないと決めつけてはならない。

(4)奉仕の精神を奉じ促進しよう
どのリーダーが部下の成功を献身的に手助けしてくれ、どのリーダーが部下を犠牲にして自分個人の成功を得ようとするかを、部下はすぐに見抜くものだ。顧客もまたしかりである。

(5)風変わりなアイデアにも特に耳を傾けよう
人が他者の言うことに耳を傾けるのは、通常、自分のアイデアが他者のアイデアより優れていると確信できないときだけだ。だが、他者の意見に関心を払うべき理由はあり余るほどある。最も想像力に富んだ貴重なアイデアは、どちらかと言うと主流から遠く離れた場所から、すなわち一風変わっているように見え、高い地位についてはいない人から生まれるものだ。

(6)強い好奇心を持とう
絶えず新しい知識を受け入れ、追い求めよう。また、周囲の人々にも好奇心を持つよう要求しよう。感情的知性や社会的知性など、リーダーシップの多くの優れた特質と好奇心の間には関連があることが、研究により明らかになっている。アインシュタインの言葉は正しいのだ。「私には特別な才能はない」と彼は言った。「強い好奇心があるだけだ」と。