なぜ無能な男が女性よりも早く昇進するのか

現代は自画自賛の時代であり、名声が成功と同一視され、自己推薦が当たり前になっている。大言壮語と自分が一番という態度が、往々にして才能や有能さと、少なくともしばらくの間は勘違いされると、ビジネス心理学者のトーマス・チャモロ・プレムジックは言う。彼が先ごろ「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌のオンライン版で主張したように、多くの無能な男性が女性より先に昇進するのはおそらくそのためだろう。

ヒューブリス(自信過剰)の危険性について警告する本や論文は、確かにたくさんある。ギリシャ語に起源を持つこの言葉は、度が過ぎたうぬぼれや傲慢さを意味し、一般に、権力の座にある者が自分の能力をひどく過大評価する際に生じる現実認識の喪失を匂わせる。また、自信過剰の反対の「謙虚さ」が忠誠心をかき立て、団結した建設的なチームワークを構築、維持する助けになり、スタッフの離職率を低下させるという証拠も、確かにある。ジム・コリンズは2001年のベストセラー『Good to Great』(邦訳『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』)で、彼の見るところ、謙虚さを持ち、カリスマ的ではなく目立たない形で指揮しているCEOについて、多くのことを指摘した。

だが、リーダーシップ開発プログラムでは、謙虚さは蔑ろにされているようだ。組織の階段を上っているマネジャーたちの認識を見るかぎり、謙虚さは概して誤解されている。どうすればそれを変えられるのか。