明治ヨーグルトR-1 
免疫力を高めてインフルエンザを予防する効果のある乳酸菌1073R-1を使用。機能性ヨーグルトブームの立役者。

売れ行き急増に対応して各社とも増産体制に入った。明治は12年に、関西地区の主力である京都工場にラインを増設。13年12月には再び京都工場と、関東地区の主力である茨城・守谷工場にラインを増設し、生産能力を従来の約2倍に高めた。雪印メグミルクは13年に海老名工場、京都工場のヨーグルトの生産設備を増強。森永乳業も今年1月に製造を東京多摩工場に移管し、生産能力は約4倍にアップした。

毎年インフルエンザのシーズンになると、「R-1がどこにも売っていない」と消費者から苦情を受け続けていた、明治ヨーグルトマーケティング部マーケティング2グループ長の岩崎晃氏は、「これで供給が追いつくはずです」とほっとした表情を見せた。

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明治ホールディングスの株価が昨年11月から急上昇

機能性ヨーグルトブームは株価にも影響を与えた。昨年11月から明治ホールディングスの株価が急騰。乳酸菌1073R-1の新たな可能性が示されたことが一因である。

免疫学の権威、順天堂大学医学部の奥村康特任教授によると「乳酸菌はリンパ球の中の2~3割を占めるナチュラルキラー(NK)細胞の活動を助けるだけでなく、残り7~8割のリンパ球の働きを高める効果があることがわかってきました」。

奥村教授はNK細胞を「警察」、それ以外のリンパ球を「軍隊」に例えて、その役割分担をこう説明する。

「私たちの体は毎日1兆個の細胞を新たに生み出していますが、そのうち5000個ほどはがん化します。NK細胞は血液中をパトロールして、がん化した細胞やウイルス感染した細胞を早い段階で叩いて成長を未然に防いでいます。一方、軍隊型のリンパ球は、ウイルスにきわめて強い抵抗力を備えているのですが、抗原抗体反応を経てから動き出すので効果が出るまで時間がかかるのです。その代わり動き出すと強い力を発揮する。ウイルス感染すると発熱するのは軍隊型リンパ球が活動している証拠です」