メンバー全員が納得した事例

一つ、成功例を挙げよう。社員の仕事のうち型どおりの部分を外部委託できるようにする生産性向上プログラム、ファイザーワークスの立ち上げを手助けするため、ジョーダン・コーエンは直属の部下、タニアとセスを含む少人数のチームを結成し、チームとしての目標を設定することから活動をスタートさせた。デイビッド・コリスとマイケル・ルクスタッドの論文、「Can You Say What Your Strategy Is?」のアドバイスに従って、35ワード以下の戦略ステートメントを作成するために、チームは議論を重ねた。「それはわれわれの活動の指針となる言葉で、あらゆる文言について激しく議論した」と、彼は語る。

チームは次に、自分たちの戦略に直接結びついた評価基準を作成した。「インプット、アウトプット、顧客満足のそれぞれについて、チーム全員が納得した評価基準を定めた」とコーエンは言う。目標を達成すること自体が報酬だった。メンバーは自分の行為が目標達成にどのように貢献したかを目に見える形で知ることができたからだ。「それは彼らに大きな誇りを与え、毎日成功できるような気分にさせた」と、コーエンは言う。

彼はチームの仕事ぶりについてメンバーが公の場で称賛を受けるようにする方法も見つけ出した。ファイザーワークスがスタートしたとき、彼は上級リーダーとの会議に自身が出席するのをやめ、その役目をタニアとセスに任せたのだ。2人はプログラムの顔になった。高名な経営思想家、ゲイリー・ハメルが世界ビジネス・フォーラムでファイザーワークスを取り上げた講演を行ったとき、コーエンはその直前にハメルに会い、チームの名前を出してもらえないかと頼んだ。ハメルの承諾により、タニアとセスは「嬉しさで天にも昇る心地になった」。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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