早い時期からユニクロやニトリのようなSPA(製造小売業)化を進めてきたカインズは、ホームセンター業界の先進企業。しかし、小売業の将来を左右するIT化については手つかずの状態でした。ITに詳しい社員もほとんどいない中で、プロ経営者の高家さんが打った手とは――。(2022年7月11日レター)

カインズでは、土屋社長時代の2007年に「SPA(製造小売業)宣言」を行い、製造小売業への業態転換を目指して、オリジナルブランドの開発を積極的に進めてきました。その結果、現在ではオリジナル商品の売上が全体の約4割にまで増えています。

私が社長に就任する前年の2018年には、カインズのメンバーに向けて「ITを駆使する小売業に変身する」という「IT小売業宣言」を発しています。オリジナル商品の開発についてはSPA宣言以前から着手していましたが、IT小売業宣言を出した当時、カインズにはEC担当者が数名いるぐらいで、ITに詳しい役員どころかエンジニアもいないという、ほぼ手つかずの状態でした。

(構成=久保田正志)