心身健やかにダイエットするには何をしたらいいか。京都大学名誉教授の森谷敏夫さんは「ダイエット中でも、食事制限をするにしても、白米はしっかり食べて、炭水化物を少なくとも6割はとったほうがいい。このとき、速歩や筋トレなどの運動を必ず取り入れることで自律神経の機能を高めながら、美しく痩せることができる」という――。
※本稿は、森谷敏夫『京大式 脂肪燃焼メソッド』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
痩せたい人にとって、ありがたい栄養素はこれ
炭水化物とともに食事の中で減らしてほしくないのが、タンパク質です。ダイエットをするのであれば、むしろ、タンパク質は多めにとることが大切です。
タンパク質は筋肉をつくる原料。不足すれば筋肉は痩せ細ってきて、リバウンドしやすくなったり、一見ほっそりしているけれど実は体脂肪率の高い「隠れ肥満」の状態に陥りやすくもなります。
タンパク質は食事誘発性の熱産生がもっとも多い栄養素でもあります。
たくさんのエネルギーを熱に変えることで、脂肪の燃焼を高めてくれますし、しかも、タンパク質を含んだ食品をとると、腸管から「GLP-1」という食欲抑制ホルモンが分泌されて、早く満腹感が得られます。
痩せたい人にとって、タンパク質はとてもありがたい栄養素なのです。
では、ダイエット期間中には、この大切なタンパク質をどのくらいとったらよいのでしょう。
成人のタンパク質の1日の必要量は、体重1キログラムあたり1.2グラムです。
この必要量の1.5倍、つまり体重1キログラムあたり、1.8グラムを目安にとれば、筋肉量を減らさなくて済むとされています。体重が50キログラムの人なら、タンパク質の摂取量は1日90グラムになる計算です。1食あたり、30グラムのタンパク質が必要になります。

