新築マンションが高騰し、中古マンションを買う人が増えている。不動産コンサルタントの後藤一仁さんは「物件を選ぶときはちゃんとした判断基準を持っていたほうがいい。面積の計算方法、築年数による違いなども把握しておきたい」という――。

※本稿は後藤一仁『中古マンション これからの買い方・売り方 絶対に損したくない人のための最強バイブル』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

運河沿いの越中島公園とタワーマンション
写真=iStock.com/K2_keyleter
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「購入のものさし」を決めておくと、失敗を避けられる

マンションは「購入の目的」を明確にしておくと失敗しづらいといえます。

物件探しをしているうちに最新設備を備えている物件を見て舞い上がったり、不動産会社の営業トークを聞いたりして「なるほど」と、右へ左に考え方がぶれて結果的に「購入の目的」と違う物件を買ってしまう……。こうした後悔をしないように、「何のために購入するのか」を明確にしておきましょう。これはマンション購入で成功するかどうかの大きな分かれ目の一つです。

ポータルサイトなどで物件をいろいろ見ながら現実を学んだら、自分の希望や気持ちを整理しましょう。家族がいるなら家族とも意見をすり合わせ、希望条件・判断基準を一致させておきましょう。

これから実際に物件探しをスタートさせ、よい物件が出てきたときに短い時間で判断しすぐに行動できるように「購入のものさし(判断基準)」をつくって、リスト化しておきます。

何と何を満たしたら購入するのかなど、自分や家族の心のなかに描いた希望を書き出し、本当に大事な希望を厳選し、言葉で確認できるようにしておくのです。

資産価値に関わる「住むエリア」と立地条件、建物はあとで

資産価値を意識したマンション選びでは、「立地」がきわめて重要で、資産価値を大きく左右します。

購入希望エリアは必ず最初に決めるようにしましょう。

自分たちの好みの建物(広さや設備・仕様、居住性など)を探すことを重視して、広範囲で探すのはやめましょう。自分たちの利用価値の他に、資産性や安全性も考慮して、まず最初に「立地」を決めて、そのエリア内もしくは近接エリアにある物件を探すのが基本です。

「立地が先、建物があと」と覚えておいてください。

エリアについては、まずは「○○線の△△駅〜□□駅の間」と、「○○線の△△駅」および「○△線の△○駅」くらいのところから始めてもいいかもしれません。その際には、「街力」や「駅力」などを意識しながら選ぶのがおすすめです。

市区にこだわりのある人は、「○○線の△△駅の□□市区内、できればどこどこの○丁目〜×丁目」などと区切って、徐々にエリアを広げていくとよいです。エリアが広すぎるのはいけませんが、狭くしすぎると「欲しいと思う物件が全然出てこない」という結果になりがちで、家を探すモチベーションを保つことが難しくなってしまうかもしれません。

ノーマークだったもの(場所)のなかにも目をくものが混ざっている可能性もあります。

休日などに散歩がてら候補の街へ実際に行ってみることをおすすめします。