「平和への願い」しっかり受け継ぐことができるのか
ところが政治の場では、国民の思いとまったくかけ離れた議論が、延々と続けられている。
自民党などは、いわゆる旧宮家系子孫の「男系男子」を養子縁組によって特権的に皇族にすることで、皇族数の減少に目先だけ“数合わせ”をする制度改正にばかり熱心だ。その一方で、敬宮殿下など未婚の女性皇族がご結婚とともに皇室から離れてしまわれる今の制度を見直すことには、関心が薄い。
しかしこれは、養子縁組が“国民平等”の原則に反し、「門地(家柄・血筋)による差別」にあたる憲法違反であるばかりでなく、考え方が根本から逆立ちしているのではないか。昭和天皇以来、天皇陛下にまで受け継がれている「平和への願い」など皇室の高貴な精神を、80年近くも民間人として暮らし、親の代からすでに一般国民になっている男子たちがしっかり受け継げるとは、失礼ながら考えにくい。
そもそも、安定的な皇位継承を困難にしている原因は明らかだ。側室制度なしには持続可能性を期待できない、明治以来の「男系男子」限定ルールが、少子化が進む今も“うっかり”そのまま維持されていることだ。だから確信犯的な反天皇の左翼活動家よりも、男系男子に固執する自民党などの方が、皇室にとってよほどリアルな害悪と言える。
致命的な障害になっている男系男子の“縛り”を解除すれば、皇位継承の安定化、皇室の弥栄への道が拓かれる。それと同時に、“直系優先”の原則(皇室典範第2条)によって、敬宮殿下がただちに「皇太子」(皇嗣たる皇子)になられる。
政治が最優先で取り組むべきは、こちらの課題ではないのか。
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