突如、救急車のサイレンが鳴り響く
立花氏が演説を始めると、徐々に人が増え始める。集まった人々で歩道が3分の2ほどふさがれる形となった。
「道に広がらないでください!」
警視庁機動隊員が呼びかけ、フェンスを立て、交通整理を始める。支援者と思しき人々は老若男女さまざまだ。みな真剣に立花氏の話に耳を傾けているように見えた。
筆者は同時に人が増え始めた、財務省の潮見坂側に向かった。「消費税廃止!」とプラカードをかかげながら叫ぶ人々。何がここまで人々を突き動かすのか。そう考えながら人々を見つめていると、救急車のサイレンが突如こだました。
立花氏が演説していた場所に滑り込む救急車。走って現場に向かう。現場にたどり着くと、そこはまさに事件の現場となっていた。
容疑者を取り押さえたのは一般人だった
立花氏の選挙カーに横づけられた救急車。車内には頭部を包帯でまかれ、左の首のあたりを押さえる立花氏の姿が見えたが、救急車のドアが閉められてしまった。その間にも続々と警察車両がサイレンを鳴らして現場に到着、10人ほどの捜査員が現場での聞き込みを始めていた。
犯行の瞬間を一部始終目撃したという男性は、震える声で当時の様子を語った。
「立花さんは支援者ら一人ひとりと記念撮影に応じていました。撮影のための列ができていたのですが、犯人の男の順番になったときに、いきなり防犯ブザーのような大きな音がして、犯人は立花さんをナタのようなもので襲ったんです。『なんだ!やめろ』と立花さんは抵抗していました。男の近くにいた男性が取り押さえて地面に組み伏せていました」
目撃者提供の事件直後の容疑者の写真がこれである。