聖書は古の書物ではなく、私たちの生活にも優れた示唆を与えてくれる……。大ベストセラー『超訳 ニーチェの言葉』の著者が、職場や家庭でのビジネスマンの尽きぬ悩みに、独自解釈した聖書の言葉で応える。

現代はセックスレスの夫婦が増えているといわれているが、聖書の時代からユダヤ人社会では2週間にわたって性交渉がなければ、それが離婚事由として認められている。結婚生活がマンネリ化して定期的な性交渉がなくなるということは、聖書的には夫婦関係が破綻していると見なされてもおかしくないのである。

現代人の多くは「愛情とはこういうものだ」ということを自分で決めている。自分が勝手に思い込んでいる「愛」を注げなくなるから、「妻を愛せない」と考える。しかし「愛する」ということはそんなに甘く、やわらかいことばかりではない。新約聖書には「我慢したり、耐え忍ぶことも愛だ」(コリント人への第一の手紙 第13章)という旨の1節もある。