コンタクトを使う際の注意点は何か。眼科医の真鍋佑介さんは「コンタクトレンズの装用時間は1日12時間が限度だ。それ以上になると角膜が酸素不足で死滅し、失明に近いほど白濁してしまう」という――。(第1回/全2回)

※本稿は、真鍋佑介『一生目が見える人のすごい習慣』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

コンタクトレンズ
写真=iStock.com/janeps
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気軽に買えるけど、適当に使ってはいけない

眼鏡やコンタクトレンズは、近視や遠視、乱視などを矯正し、私たちの視生活をサポートしてくれる矯正器具です。視力矯正以外にも、度なしのカラーコンタクトもあり、おしゃれ目的で装用している人もいるでしょう。眼科に行かず、オンラインでコンタクトレンズを購入しているという人もいるのではないでしょうか。

ネットなどで気軽に買えること自体は便利です。ですが、眼科に行かなくても買えるから、眼科での定期検査が不要というわけでは決してありません。同じ種類のレンズを再購入するとしても、安全に使い続けるために定期検査を受け、目の状態を確認する必要があります。

実は、コンタクトレンズは高度管理医療機器に分類されるもので、透析機人工呼吸器と同じレベルの位置づけです。副作用が出た場合人体へのリスクが高いものとして考えられています。

コンタクトレンズは目に直接装着するため、不衛生に扱うと角膜に深刻なダメージを与え、重篤な後遺症を残して失明に近い状態にまで至ることがあります。このようなトラブルは20代の若い方に多く、本当に悲惨です。

「1日12時間まで」守っていますか?

コンタクトレンズは正しく使わないと角膜という部分に様々なトラブルを引き起こします。

角膜とは、目の表面、黒目の部分にあたる透明な膜で、外部の刺激や細菌、ウイルスなどの侵入から目を守るバリア機能も担っています。しかし、ここにコンタクトレンズがかぶさってしまうと、角膜は酸素不足に陥ってしまいます。

コンタクトレンズの装用時間は1日12時間が限度です。長期間不適切に使用すると、角膜が酸素不足になって死滅していきます。特に角膜の一番内側の層にある角膜内皮細胞が減ってしまい、徐々に角膜が濁っていきます。この細胞は角膜全体に栄養を与えて代謝を促して、角膜の透明性を維持するために必要不可欠なのです。

細胞が死滅すると角膜はぶよぶよに膨れ上がって、失明に近いほど白濁してしまいます。こうなってしまうと角膜移植でしか治せません。