投資家として成功したいなら読書は必須
バフェットもマンガー(※3 編集部注)も熱心な読書家だ。
その理由は二人とも知的好奇心が強く、多くのさまざまな分野についてたくさん学ぶことをただただ楽しんでいることに加え、読書がビジネスにも有益だからだ。投資家として成功するためには、バフェットは1日当たり500ページ以上読むよう助言しており、1日の80%を喜んで読書に費やすと言う。マンガーも、多岐にわたって読書することの重要性を強調する。
読書をせずに賢くなった人なんて聞いたこともありません。しかし、ただ読むだけでは不十分です。さまざまなアイデアを把握し、理にかなった行動をする気質を持つ必要があります。たいていの人は正しいアイデアをつかめないか、それらをどう扱えばよいかわからないのです。
実業界の多くの人たちよりも、ウォーレンと私は読書と思考に多くの時間を費やしており、あまり行動を起こさないほうです。私たちはこのような生活が好きなのです。個性的かもしれませんが、自分たちの癖をうまく活用しているわけです。私たちは二人ともただ座って考えることのためにほぼ毎日の大半を過ごそうと決めています。これはアメリカの実業界では非常に珍しいことでしょう。ただ読んで考えているだけなのですから。
※3 チャールズ・トーマス・マンガー(1924~2023) バフェットが率いる投資持株会社、バークシャー・ハサウェイの元副会長。
投資家に求められる資質
忍耐はバークシャー・ハサウェイの投資哲学で極めて重要な役割を果たす。バフェットとマンガーは、投資が高リターンを生むのを何年も待つことが多い。
また、IQ(知能指数)が高いからといって、どんな分野でも成功するとは限らない。モチベーション、リーダーシップ、粘り強さ、コミュニケーションスキル、実生活での経験や判断力など、成功に影響を及ぼす要素は他にもいくらでもある。バフェットはこう指摘する。「IQが125を超えると、投資における成功とIQは相関しません。通常の知能があれば、必要なのは投資で失敗するような行動がついしたくなる、誰でも陥りやすい衝動を抑える気質です」
成功を持続させるには、投資家は一定の気質を養う必要がある。マンガーは情熱的な好奇心と、トレンドや決断の背後にある理由を探る精神力を鍛錬する必要を強調した。一定の気質がないと、どんなに聡明な人でも失敗するのが必然であると言うのである。