その徹底振りには驚かされる。年末の忘年会では、社員がパートナーを笑わせるために、ドリフターズの番組を真似たコント集を作成した。事前にビデオで撮影し、当日大スクリーンで上映したのである。エンドロールには全従業員の笑顔を撮影して流した。

「思った以上に笑ってくれて、企画した側も感動していました」(馬場)

そのほか、年1回の日帰りバス旅行も欠かさない。大型バス2台を貸し切り、総勢80人のパートナーが参加する。バスの車内でも企画が用意され、景品も当たるという。

仕事と関係のないイベントに張り切って取り組んで何の意味があるのか、と思われるかもしれない。しかし足原店は開店当初21億円だった年商を毎年1億円強ずつ伸ばし、直近の年商は26億円。ハローデイ全体でも19期連続の増収増益である。(※2011年9月当時)

人口減少や大手チェーンの進出により厳しい環境と思われる地方都市で、これほどの好業績である。足原店にはその秘密を探りに全国から視察者がやって来る。

「正直、特別なことはしていないんです。競合店を意識しての価格政策も全くしていません。ただ、スーパーとは思えないような、来た人がびっくりするお店をつくりたい。お店をきれいにしたり、楽しい陳列をしたり、珍しい商品をつくったり。そういったことにずっと取り組んできただけです」(馬場)

そうした事柄を徹底するには、パートナーの活躍が必要不可欠。そこに「楽しさ」が効いているようである。ハローデイの社風の特徴は店長やチーフなどの役職者とパートナーの距離が近く、気軽に話しやすいことだという。そのため、同業他社から中途入社した社員は困惑することがある。

「以前、パートナーさんに『言うことを聞かないなら辞めてもいいですよ』と高圧的に言う中途社員の方もいましたが、そういう人は社風に合わず辞めていかれますね」(馬場)