ハローデイは九州北部に41店舗を持つ食品スーパーだ。売り上げは574億円で、従業員はパート、アルバイトを合わせて約4000名。18期連続で増収増益を達成しており、同業者やアナリストが視察にくることも多い。

「本部は店舗を支援する」という考えのもと、店舗の隣に小さくオフィスを構える。神棚もある。

「本部は店舗を支援する」という考えのもと、店舗の隣に小さくオフィスを構える。神棚もある。

ハローデイの本部(同社ではサービスセンターと呼ぶ)では毎週3回、朝9時から10分程度の朝礼を催している。なんといっても目玉は「笑いの練習」というコーナーだ。朝礼の最後になると、司会役の朝礼当番が声をかける。

「さあ、みなさん、大いに笑ってください。隣の人はいい人だ、わっはっは。前の人はいい人だ、わっはっは。うれしいなあ、わっはっは。楽しいなあ、わっはっは。幸せだなあ、わーはっはっはっ」

参加する数十人の社員は全員が「わっはっはっ」と発声する。真似をしてみると、大声で笑うには背筋を伸ばし、腹筋を鍛えておかなくてはならないことがわかる。笑うことは決して楽ではないのだ。

「笑う朝礼」を始めたのは2代目の加治敬通社長だ。「社内を明るくするために、とにかく笑うことにしたのです」と語る。

「入社した当時、朝礼も会議も雰囲気が暗く、これはいけないと感じました。なぜなら、社員が暗い顔しているスーパーに買い物にきたいと思うお客さまはいないからです。そこで、まずはみんなで笑うことから始めようと、私は笑いを取るために発言することにし、朝礼でも、笑いの練習を取り入れました。それからです、うちの会社が元気になり、利益が出るようになったのは」

朝礼の最中も、加治社長は緊張してしゃべる社員に向かって「おい、マジメな話ばかりするなよ」と合いの手をいれて、場をなごませる。ハローデイの朝礼を見ていると、サービス業にとって大切なことは、まずは笑顔だと納得できる。

(松隈直樹=撮影)