最近とみに増えてきた相談に、携帯電話からスマートフォンへの切り替え問題がある。先日も、一人息子を私立中学に通わせている椎原梢さん(仮名・39歳)が、こんなお悩みを打ち明けてくれた。
「私立のママ友って、携帯の使用頻度がものすごく高いんです。学校の連絡網は固定電話ですけど、ママ友の連絡網は携帯。こっちの連絡網にもしっかり入っておかないと、重要な情報が入ってこない。いくら通話料がかかっても、ママ友連絡網から外れるわけにはいかないんです」
“重要な情報”の中身がいかなるものかはさておき、携帯電話の長電話が高くつくのはたしかである。
「ところがですよ、最近、携帯をスマホに切り替えるママが増えてきたんです。ただでさえ通話料がかさむのに、携帯よりも基本料金の高いスマホに切り替えたら、私のお小遣いなんてなくなっちゃいますよ。どうしたらいいんでしょう」
大半のビジネスパーソンは、すでにスマホに切り替え済みだとは思っていた。しかし、いまだにガラケー(従来の携帯電話)が主流だと想像していた主婦の世界でも、スマホが増殖しはじめていたとは……。スティーブ・ジョブズおそるべし。
「先生、何を感心しているんですか。スマホに替えるべきかどうか、早く教えてくださいよ!」
おっと失敬。たしかに椎原さんのおっしゃる通り、スマホに替えると一般的に携帯よりも基本料金は高くなる。総務省の家計消費状況調査でも、一世帯の1カ月あたり移動電話使用料は、2011年は1万3183円(2人以上、勤労者世帯)と、02年の8857円から約1.5倍になっている。
しかし、携帯料金に毎月1万円以上かかるようなヘビー・ユーザーの場合は、むしろスマホに替えたほうが安上がりになるケースがある。