3年超えで費用が逆転する

最近は、初期投資を低くすることで入居のハードルを下げるためか、「入居一時金ゼロ」のホームが増えている。しかしこれは、一見安上がりでお得に見えるが、必ずしもそうではないことが多い。

入居一時金がゼロの場合、サービスや設備のレベルが同じであっても、一時金ありの場合に比べて月額費用が高くなる。このため、短期間しか入居しないなら入居一時金ゼロのほうが得だが、入居が長期になると逆転する。

その目安は3年だ。

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実際のケースで検証!

同じホームで入居一時金ありのプランと、ゼロのプランが選べるケースを見てみよう(図参照)。ホームAでは、3年までだと、入居一時金ゼロのプランのほうが安く上がる。しかし3年を過ぎると逆転し、7年になると1000万円近く高くついてしまうのだ。

一方、ホームBでは、入居が7年になっても、両プランでほとんど差がつかない。良心的な料金設定だといえる。

入居一時金ゼロのホームは「お試し入居」にいいと考える人もいるようだが、ホームAのように気に入って長く入居したい場合に割高になってしまうホームが多い。入居一時金が必要なホームでも、90日以内の退去であれば実費以外は戻ってくるので、試したいのであればそちらがお勧めだ。

入居一時金ゼロのプランは、一般的に低額の物件に多い。費用を最優先する場合で、入居期間が3年以下と見込まれる場合は、入居一時金ゼロのプランも視野に検討するとよいだろう。

ただ、「安かろう、悪かろう」というホームも多いので、じっくり検討することが必要だ。